第4章 心の扉を開くのは
人間界の学校には制服があると習った。
天界の學校にも制服はある。
各校によってデザインは異なるが、生徒全員が必ず付けなければならないものがある。
バッジだ。
今の法では、入學の際に必ず配られる事になっている。
宝石の様な楕円形に、2本のリボン。1年生は翠の宝石と緑のリボン、2年生は緋(あか)の宝石と赤のリボン、3年生は蒼(あお)の宝石と青のリボンで、その組み合わせでどの學部の何年かが分かる様になっている。また、幼少部と大學部のバッジのみ、宝石が白になっている。
學校に入れるのは7歳からで、幼學部、小學部、中學部、高學部、大學部とそれぞれ3年ずつからなる。
また、正式名称では無いが、一般的にそれぞれを幼少部、中等部、高等部と呼ぶ事もある。大學部だけは基本的に他の呼び名は無い。
あたしの通う聖ホーリィ學園の制服は、小さな襟付きマントを肩に掛ける仕様なので、襟の下からリボンを通し、胸元にバッジが来る様になっている。
ホーリィは制服に関する校則はそう厳しく無いので、緩い制服改造をする生徒は少なく無い。厳しい所は本当に厳しくて、スカートの長さがミリ単位で決められていたりする。