第4章 心の扉を開くのは
「ユラ、もうちょっと女の子らしくしたら?そのカラダに合うような、さ」
そんなのはどうでもいい。必要ないよ。
「だから彼氏いない歴=年齢になっちゃうんだよ〜」
だって、
「そんな事しなくたって、あんたは傍にいてくれるでしょ?
あたしはイーブィが居てくれれば、彼氏なんて要らないの」
プイ、とそっぽを向いて歩き出した。
「ユラ……」
その声に振り返ると、イーブィは立ち止まったままだった。
見れば、顔がほんのり赤い。
「ん?」
「今のは…告白デスカ?」
「ハァ?んな訳ないでしょ」
あたしは呆れて、また歩き出した。
イーブィも、慌ててあたしを追い掛ける。
——あたしが自分の言った言葉の意味に気づくのは、もう少し先の話である。