第2章 別人との再会
「——キリト君、では挨拶を」
「御方様。確かに依頼をお受け致しました。キリトは偵守へ行って参ります」
返事は無い。当然の事だ。
パァァァッ
目の前に、白く輝くリングが現れた。
このリングは天界と下界を繋ぐルートへの入り口で、御方様に言葉を告げれば光、通る事が可能になる。
普段は光らないので見えづらいが、いつも雲の上に在るものだ。
——俺は羽を伸ばし、身体を宙に浮かせた。
キラキラ…
俺が飛んだ道筋に、小さな耀きが散らばる。天使の粉だ。
その光を引き連れ、俺はリングを潜った。
…目指すは、君。