第2章 望まぬ再会
愛おしいと思うウォーレンが吸血鬼であること。
それを初めて知った時は動揺もしたし、悲しみもした。
しかし、その最中にふと思ったこともある。
なぜ、吸血鬼だからダメなのだろう。
同じ人の身体を持っている彼らを、なぜここまで忌み嫌うのだろう。
ノエルは悩んで、考えて、答えを探した。
彼と共に生きたい、それだけじゃなくて。
吸血鬼と和解出来ればこの村は変わる、そう感じたから。
ハルカにも話して、協力してもらって。
吸血鬼についての文献をたくさん読み、唯一生贄に選ばれながら生き残った存在である義姉から話を聞いて、情報を集めた。
吸血鬼が生贄を求める理由。
そして、彼らの弱点。
それを知ったからどうにか出来るとは限らないけれど、相手を多く知るに越したことは無い。
数多くのことを知り、最後に彼女が下した決断は1つ。
「人間と吸血鬼は和解できる」
その日から、彼女の小さな、しかしやがて大きくなった計画は始まった。
全ては愛する人と生きるため。
そしてもう、誰も泣かせないために。