第1章 恋人
あたしは冥と結婚する気満々だ。
プロ野球選手の嫁は大変だからやめとけ?そんなの母さんにも散々言われましたわよ。
でもあたし、こう見えて特技は料理で、冥のためにそれなりに勉強もしました。
今やどうよ。母さんに「あらすごいじゃない。」と言われる程にまで成長しましたわよ!
冥の家に訪問して、栄養バランスの考えられた食事を振る舞った事も何度もありますわよ!
家事は完璧にして、冥のために家庭を守る準備はしっかり出来ている。
しかし、ご両親への挨拶はすんだとは言え、冥との間に正式な「結婚」というワードが出た事は無し。
新年あけちゃいましたよ?もう23・・・は世間的には若いだろうけど、あなた年棒がっぽがっぽでしょ?
そろそろプロポーズしてくれてもいいと思うんだけど、どうして踏み切ってくれないんだろう?
大人の事情ってやつかしら?有名人だし?女の子の人気すごいし?
そりゃあ、付き合ってるを超えて結婚発表だなんて、女の子からの人気はがた落ちしそうだけど。
あたしとしてはやっぱり、何百人のファンよりあたしを選んで欲しくて。
そんなの恥ずかしくて言えないあたしの意地っ張り!でもやっぱり言いたく無いの!