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大吟醸「夫婦漫才」【Mr.FULLSWING】

第1章 恋人


「あの時はびっくりしたなー。」
熱燗片手に父さんがしみじみ語る。
「端から見てても、父さんが死んじゃうかと思ったよ?」
「そりゃあだってお前、犬飼投手だぞ!?」
興奮気味に突っかかる父さんを、母さんが「血圧上がりますよ?」と宥める。
「一人娘の恋人が来るってだけでもあれなのに、あの有名なプロ野球選手が!それも応援してる球団の!」
少し息の上がった父さんに、母さんはナイスタイミングで冷たい水を持ってきた。
「でも父さん、犬飼選手は嫌いじゃなかったっけ?」
「アイツのせいでドームがアイドルコンサート会場みたいになっちまったからな。」
水を一口飲んで、父さんはまたつまみに手を伸ばす。
「なんだあのハート形のうちわ。ピンクにして写真まで貼っちゃってまぁ・・・。」
「あらお父さん、そのお陰で若い女の子がプロ野球に興味を持つようになったんじゃない?」
「しかしお母さん・・・!」
日本の典型的な、しかし理想的な夫婦のやり取りが展開された。
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