第3章 環境も変われば人も変わる
トド松「えぇ~、僕可愛い系目指してるけど、本物の女の子になるつもりはないからな~」
「引きずり込むから、喜びやがれ」
トド松「ヒィ!?」
ハッ、男の娘モデルになれそうな人材なんて、手放すわけがない。
仲間は多いほうが、楽しいしねぇ?!
仲良くホルモン剤とビタミン剤飲んで、ふりっふりの下着選びに行こうなー、トド松?
「あらー、目指すにしてはちょっと体格良すぎよね。今度のモデルは、男性ティーン向けのモデルだから」
トド松「なんだー、よかったー!」
「チッ」
まぁいい。
今度俺が撮影する時、騙して連れていくし。
「ってわけだから、ゆっくり食べてね~。ゆっくり、ねー!!」
やけに、ゆっくりを強調するりょーこさん。
――ははーん、さてはしょーこさん食いついたんだ。
チョロ松「えー、できるかなぁ?」
「まぁ、話だけでもいいから、ね?」
後ろで決めポーズ取り始めたカラ松に、一松が卍固めを決めている。
どうやら、あの二人は仲が良いみたいだなぁ。
っていうか、最初は上手く喋れなかったチョロ松も、りょーこさんの包容力の高さで随分喋れるようになってる。
他の奴らも、最初は緊張してたのが嘘みたいだ。
これが、経営者の実力なんだなぁ。
「それじゃー、どんどん食べてねー?」
皆がそれぞれご飯を食べに行く中、りょーこさんは俺に手招きをする。
「ん、何?」
「ねぇねぇ、赤いパーカーの子」
りょーこさんは、兄弟達とじゃれてるおそ松を見る。
この前手酷く殴られたせいで、一人だけ顔の痣が目立ってる。
「あぁ、おそ松?」
「よく喧嘩するの? 酷い怪我ね」
「――あー、全員してるけど」
まぁ、F6は喧嘩っ早いからね。
「顔以外も痣できると厄介なのよー。喧嘩はできるだけしないよう、見張っててくれない?」
「しないように、ねぇ。まぁできるだけやってみるけど」
そうか、アイツ等がモデルになるとそういう厄介な所も出てくるのかー。
うーん、素直に言って聞いてくれる奴なのかなぁ?
「お前らー」
おそ松「え、何々?」
「痣作ると厄介だし、できるだけ喧嘩禁止ってさー」
一松「俺、そんなヘマしないから」
カラ松が何か言おうとしたけど、すかさず一松がプロレス技をかける。
一緒になって、おそ松もカラ松に技をかけてる。
この六つ子は、いつもこんな調子なんだろう。
