第3章 環境も変われば人も変わる
おそ松「ねーねー、お店のオススメ教えてくれよー」
おそ松は、嬉しそうに笑って俺にピッタリくっついてくる。
ゴリラと違って、積極的だなぁ。
「んと、ここに色違いのメニュー表あるっしょ?」
おそ松「うん、あるねぇ」
「これ、ここ関係者専用のメニュー表。俺居ないと食べれないから、居る時に食べたほうがいいよ」
その時だった。
チョロ松がおそ松の首根っこを押さえて引きずっていく。
チョロ松「こら、糞長男! 礼儀が先だって言ってた話聞いてたろ!?」
俺は、その様子を手を振って見送る。
でも、ちょっと気になって顔を出した。
「あら~、そんな事全然気にしてないわよ~? うふふ~」
チョロ松「本当に、ありがとうございます」
「そんなにどうしてもって言うならぁ~」
チョロ松「へっ?」
おー、自分で仕事取りに行ったか。
「明日、しょーこが会いたいって言ってるの。採寸図りましょ?」
チョロ松「さ、採寸……?」
「Sweet Lolipop、通称スイロリっていうファッションブランドの専属デザイナー、しょーこさんが経営に携わってるお店だから、関係するファッションブランドのモデルだけタダになんのさ」
チョロ松「って事は……」
「礼儀と言うなら、働きやがれ」
「そういう事っ。貴方達、物分りよくて助かるわぁ~! 丁度、新しいブランドのモデル募集してたのよ~」
カラ松「フッ、この俺がモデル……。いい判断」
トド松「それって、女の子向けファッションブランドの奴だよね?」
カラ松「へっ!?」
あー、やっぱトド松俺と同類?
いやぁ~、お肌にいいビタミン剤とかホルモン剤あげないとねー。
「うふふ、そうよ~。くんは男なのに可愛く着こなすから、人気モデルさんなの」
そう言うと、りょーこさんは奥から一冊の本を持ってきた。
その本は、この前撮影したばかりのブランド独自のファッション誌だ。
りょーこさんとこの会社は複数ブランドを持ってるから、独自のブランドだけでファッション誌が作れる。
そして、丁度表紙の中央に映ってるモデルこそ、俺だ。
おそ松「うわ~、かんわいー! これ、もらっちゃ駄目ですかねぇ?」
「うふふ~、その雑誌好評なのよね。でも、もう売り切れちゃったからごめんなさいね~」