第3章 環境も変われば人も変わる
「うふふふ、皆仲良しねぇ」
カラ松「あはは、楽しそうに旅行の話して、随分仲良くなったなぁ」
「何処が楽しげな旅行の会話だぁ?!」
俺のプライドがピンチだから!
「それじゃ、おそ松くん。貴方顔に傷作ってるわね。それは?」
「あー、コイツ等全員喧嘩っ早いんですよ」
「そうー? なら、一人でも顔に傷を作ったら……、わかるわね?」
六つ子が「えっ」とハモった。
内心、俺はガッツポーズを取る。
だって、夏休みまで後一ヶ月もあるしぃ!?
うまーく立ち回れば傷の一つや二つ……!!
「くんだけ、連れて行くから」
おそ松「まぁ、この前みたいな馬鹿しなきゃ大丈夫だろー?」
トド松「ご、ごめん。気をつけるから」
そっか、そういえばトド松と十四松が捕まって、それが原因で殴られたから。
一方的だったもんな。
チョロ松「そろそろ離れろ、ストーカー!」
おそ松「えー、いいじゃん。さっきごろごろし始めたばっかだぜー?」
チョロ松「もう十分だろ、この糞長男!」
するする、とおそ松が俺の上着に手を入れてきたタイミングで、チョロ松が引き剥がした。
「できるならさ、もっと早めにしてほしい」
チョロ松「ごめんなー」
おそ松から逃げようとしてたせいで、どんどん前かがみになってるの全員スルーしやがる。
「ま、そういう事で、とりあえず明日は学校お休みよね。採寸図るから、よろしく!」
じゃっと片手を上げて、しょーこさんは出て行ってしまった。
たぶん、この後別な所で打ち合わせでもするんでしょ。
「ね、しょーこさん帰ったし俺らも帰ろ」
カラ松「あー、そろそろ大浴場が閉まる頃だ」
トド松「うわぁ、後全然時間ないじゃん!」
風呂の時間がないってことで、俺はりょーこさんにお礼を行って店を後にした。
大浴場初体験の俺は、特に風呂道具とか持ってないし、いつも使ってた風呂セットをかき集めてる最中。
カラ松「おーい、早くしろー」
「すぐ行くから」
全部忘れ物がないか念入りにチェックし、俺の大浴場初体験は始まった。
が、その前に俺はたった一つ、とんでもない忘れ物をしていた。