第3章 環境も変われば人も変わる
「いやね、俺の周りで、俺がウリしてるって噂流れてたんだけど」
軽いノリで話したつもりだけど、皆神妙な顔で聞くんだよ。
話さなきゃよかったかなって後悔した。
「でね、その情報の発信源が俺の横に居たゴリラ」
カラ松「それで、君はな」
言わせないから。
俺は、カラ松の足を思いっきり踏みつけた。
丁度、踏める位置に居てくれてありがとう、カラ松。
「泣かしたの、ゴリラを。喧嘩したってこと」
カラ松「お、俺何か言ったかぁ!?」
トド松「――うーん、最近丸くなったって噂聞いたけど、嘘だったね」
おぉ、スルーしてくれた。
この兄弟達はスルースキルが高くていいや。
「前から知り合い?」
トド松「うん。この学校、小学校時代から持ち上がりでさ、は高校の時に来たよね?」
「って事は、中学の時からお痛してたって事かぁ」
全く、友達を平気で売るような厄介なゴリラに捕まったもんだ。
人は見かけによらないって言うけど、この言葉は間違ってるかも。
――いや、たまたま?
おそ松「何かあっても、俺がきーっちり守ってあげるからねー!」
おそ松に、お尻を触られた。
いきなりだったから、危うくピザを落すとだったよ。
っていうか、そこは抱きしめるとこだろ?
チョロ松「その前に、お前から守らないといけないから!! 離れろ、このストーカー!」
チョロ松が素早くおそ松の手を叩く。
アハハ、俺チョロ松の横キープしとこ。
にしても、こいつら食べるの早いなぁ。
気づけば、デザートピザを食べ終わり、次のご飯を取りに行ってる。
残ってるのは、俺とおそ松とカラ松とチョロ松のみ。
チョロ松「って、他の奴らは?」
カラ松「あぁ、自由にバイキングを食べていいらしい」
チョロ松「お、お金は?!」
カラ松「そ、それが気にするなって……」
チョロ松「後で、お店の人にお礼言わないと……」
カラ松「そうだよなぁ。まず、一言言ってから食べるのが礼儀だ」
そーんな堅苦しい事気にしなくていいのに。
りょーこさんも美味しく食べてくれればオッケーって言ってるし。
そのぶん、俺のバイト代から色々天引きされてるの知ってるしね。
チョロ松「ったく、一松のやつも聞かずに行ったんだね」
人の行動を見て行動できる奴程、仕事のできる証拠だよ?
いい事いい事。