第1章 嶺帝学院
何故こんな所で寝ているのだろうか
不思議そうに彼を見ていると....
「んッ....」
「!」
私の視線に気づいたのか、目の前の彼はゆっくりと目を開ける
すると至近距離で互いの目が合う
綺麗な蒼い瞳
真珠のような彼の眼が私の姿を写す
私はその目に惹き付けられる
「....なに?」
目の前の彼が口を開き、現実に戻されたように私はハッとして、急いで後ずさる
きっと彼は私の事を変だと思っているだろう
私の心は羞恥で一杯になる
私は堪らず、「ごめんなさい」と言って階段を駆け下りる
「うるさい....」
後に残った彼は、何も無かったようにまた目を閉じる
耳にしたイヤホンからはどこか聞き覚えのある旋律が流れていた
彼はそのまま眠りに落ちようとするが....
「こんな所にいたのですか....」
突然現れた、踊り場に立つ1人の男に声を掛けられる
忽ち彼の顔は強ばり、眉間にしわを寄せた
「何の用だ」
男は1つ溜息をつき、眼鏡を上に上げる
「リムジンが来ています
皆も待っているので、貴方も早く乗ってください
"シュウ"」