第8章 晩餐会
真っ暗な夜空に赤い月が浮かんでいる
きっと明日は満月だ
ルカはレイジに渡された地図の場所まで来ていた
屋敷の外に出るのは初めてで、こんなにもこの家の敷地は広いのかとひどく驚いた
(こんなに大きな屋敷なのに、誰ともすれ違わない....
やっぱり、少し気味が悪いなぁ....)
長い薔薇園を抜けた向こうに白い建物が見える
私はゆっくりとその扉を押し開けた
ギィィ....
重く妙な音を立てる扉の中に入ると、一気に両サイドの蝋燭が火をともす
「ここは....」
明かりの付いた建物の中は縦と奥に広く、
ヨーロッパの建築物を模倣したような造りになっていた
天上や壁には何か刻まれている
「っ!!」
壁沿いを見ていると奥に女のモニュメントが飾られていた
「なんだ....何かの像?びっくりした....」
たいへんリアルに作られたそれらに私は酷く恐れを感じた
まるで....生きてるみたい....
その像には一つ一つ美しいドレスを着せていて、どれもこの世を覆す美女ばかりだ
(でも....ここに一体何が....?)
私がゆっくりと奥に進んでいると、一つの灯りが揺らいだのが見えた
私は驚いてそちらを向く
すると、そこには1人の男が立っていた
『待っていたぞ』
「!」
見おぼえのある顔に驚く
学園の図書館でのやり取りを思い出す
でも....どうして....
だって、ここは魔界....のはずなのに
「ルキ....さん....」