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蒼い恋

第7章 習得



つぎの日、ルカとシュウはある部屋に来ていた

そこにはたくさんのレコーダーと機械類が置いてあった

「なんで、俺が...」

「うぅ...」

目の前のシュウはソファーに深々と寝そべる

実は今日は夜会で踊るダンスの練習をしなければならなく、こればかりはレイジさんではなく、パートナーであるシュウが適任だそうで
私達はその練習の為、ここに来たのだが...

「なんで、人間はダンスの一つも踊れないんだ」

「っ...」

シュウは先程から文句ばかり口にして、練習に付き合ってくれる様子はない

「ごめんなさい...」

シュウはため息をつく

「じゃあ俺の言う事を何でも聞けば、練習してやらなくもない」

「ッ!!ほんとに!?」

意外な言葉に私は嬉しさを隠せなかった

「でも、私は何をすればいいの?」

私は思わず、一歩彼に近づく...

すると

ーーーーぐいっ!!

「っ!!」

寝そべるシュウに腕を捕まれ、ルカはソファーに押し倒される

「ヴァンパイアが求めるモノなんて、一つしかないだろ」

「ッ..!!」

蒼い瞳に映るのはまたしても、私の首筋...いや、その先の"血"...

でも、どうしてだろう...

今日の彼の瞳はどこか揺らいでいる

流れるように冷たい彼の指が私の唇を撫でる

私は驚いて言葉も出なかった

鼓動だけが波打って騒がしい

すると、唇にあった手が目に被さる

ーーーージュルッ....

「!!」

それと同時に首筋には牙がたてられた

痛い...けど何故か、今までほど痛みを感じない

ぼーっとしているとシュウが口を開いた

「アンタの血...少しだけど甘くなった」

シュウは舌で口の周りに付いた血を舐めとる

「血の味って...変わるの?」

「あぁ」

血なんて飲んだことも無いから分かるはずもない

けど...

「私も...今日はあんまり痛くなかった...」

「っ!!」

シュウは驚いたような目をする

牙の刺し方によれば、感じ方も様々だろう


上からシュウが退く

「....練習するんだろ」

ルカに手を出す

「!」

「足踏んだらお仕置きだからな」

シュウは軽く微笑んだ


知らない内に少しずつ2人の気持ちは変化しているのかもしれないーーー
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