第5章 ヴァンパイア
んっ....ーーーー
眩しい光で目が覚める
まだはっきりしない目を擦ってゆっくりと目を開ける
えっと....確か私は
頭の中を整理する
あ、そうだ
シュウさんに送って行って貰うことになって、車の中で....
「!」
私は突然意識が無くなったのを思い出す
はっとして起き上がり、周りを見る
するとそこはピンクを基調とした物が多く並ぶ一室だった
ベッドもとても大きくて
まるでお嬢様みたいな....
今までの人生で見たことないくらい高そうで可愛い物が並ぶ部屋で私は唖然とする
また自分の服は制服ではなくて、ピンクと白のネグリジェを着ていた
一瞬、可愛い服だと思うが思い直して私は
ベッドから下りようとする
「きゃっ!!」
だが、誰かに横から引っ張られ私はベッドの中に引き込まれる
「さむい....」
聞き覚えのある声に恐る恐る目を開けると
そこには上はシャツだけを羽織ったシュウさんがいた
「っ////」
彼は私を抱き枕みたいにぎゅっと抱きしめる
「しゅ、シュウさん//
離してください!」
恥ずかしくてどうにかなってしまいそうだ
「うるさい...
てか、お前痩せすぎてて全然気持ちよくない」
そんな事を言いながらも全く手を緩めない
私は動揺しながらも、負けじと彼に尋ねる
「ここはどこなんですか」
私は家に帰るはずだったのになんでこんな場所に...
「んー...だるい」
彼は眠そうに私の肩に顔を埋める
こんな至近距離にいられたら私の心臓がもたない
私は抜け出そうと暴れる
すると
「おい。じっとしてろよ
ったく...」
ドサッ!!
「っ...」
シュウさんは抵抗する私を下にして体で踏み倒す
見下ろして顔を逸らせない私を彼は満足そうに微笑む
「あんた...泣きそうな顔してるけど?」
無意識にも私の心は怯えていた
「...当たり前です...一体ここはどこなんですか...」
本当に涙が出そうな彼女にシュウはため息をついて、ふっと笑う
「ここは、お前らが住む世界とは違う所」
世界が違う?
この人が言っていることはさっぱり分からなかった
「それって...どうゆう...」
私はふと思う
なんだか、ここの空気は異質な気がする
そして、目の前にいる彼も...
『ここは、闇の魔族が住む世界』