第4章 再び
「んっ....」
ーーここは....どこ?
重たい瞼をゆっくり開ける
そこは白いカーテンに包まれており、保健室だということが分かった
でも....どうして...
「起きたか」
「!」
横を見ると、椅子には昨日のあの人が座っていた
私は驚いて、毛布で顔を半分隠す
「ど、どうして....」
「は?どうしてじゃない。
あんた廊下で倒れたんだよ」
「!」
確かに今日は朝から風邪っぽくて頭も午後からくらくらしていた
じゃあ、ここまでは彼が運んでくれたのかな....?
ポンッ
突然額に手が置かれる
「ッ!!////」
「熱....下がらないな」
氷より冷たいその手に私は驚いた
しかし、何となく安心するその手が気持ちいい
「ったく、何で俺がこんな奴の面倒....
教師も肝心な時に居ないし
あんたもあんただ
俺のこと構うから、こんな事になるんだ
自業自得だな」
「そ、それは....」
確かに、昨日雨に打たれて帰ったのが原因なのは明らかだけど
何だか頭が痛くて考えもまとまらない....
しかし、私は突発的に言いたくなった言葉を発する
「でも....
助けてくれたんですよね?」
「っ....」
一瞬シュウは動揺した
熱で火照っているとはいえ、その言葉と表情に心が揺らぐ
「勘違いするな
俺はあんたに文句があっただけだ
それに、目の前で倒れられて周りに騒がれたら余計面倒だろ」
彼はぷいっとそっぽを向く
「でも....ありがとうございました
...."一年前"も....」
「は?一年前?」
ルカはもう気付いていた
さっき運んでくれたあの歩みと心地よさは一年前と同じだった
「はい。
逆巻....シュウさんですよね?」
「!
あぁ。思い出した
あの時倒れた女か」
シュウは過去の記憶を思い出す
確かあの日は新入生が入るとかで学校が騒いでて
静かな所を探して、音楽室へ行こうとしたら廊下で女が1人倒れたんだったか
でも....確か....
「シュウさん?」
何故かシュウさんの目が不思議と鋭くなった気がする....
「おい。あんた....名前は?」
「立花ルカです」
もう、何度か会ってるけど名乗るのは初めてで
やっと、少し近づけた気がした