第4章 再び
「....はぁ、だる....」
部屋から出てくるシュウ
上を見るとそこに書かれてあった文字は
"進路指導室"
話の内容は自分の事ではなく、弟達の事だった
教師が言うに、
ライトがまた女と問題を起こしたらしい
それで、また停学処分を受けないよう注意しろと
それに、スバルは入学早々、物を壊したとかなんとか
「ったく....なんで、俺があいつらの事で呼び出されなきゃならないんだ....」
長男だからなんて面倒な肩書きを、俺は心底恨んでる
本当に昔から....
ーーーーーガラッ
(んっ?あれは....)
職員会から出てくる見覚えのある女が目に入る
昨日のお節介な女だ
前を歩く彼女を彼はじっと見る
他の女に比べて、足は細く
骨のラインがよく見える
女子高生にしては痩せすぎなその体型に全く色気も感じず、不健康にさえ見える
でも、綺麗な茶色の髪とほのかに香る花の匂いは悪くない
(この学校....香水くさい奴ばっかだからな....)
自分は何を考えてんだと思い、ため息をつく
しかし、何だか不思議と目に入るこの女....
今までだって無かったわけじゃない
けど、それは血を吸い関係を持ったからだ
この女は違う
血に魅力されたからじゃない....
何なんだコイツは....
彼は昨日の文句を言おうと理由つけて、彼女に歩み寄る
「おい」
話かけられ立ち止まる彼女....
しかし、明らかに様子がおかしかった
彼女は眩暈を起こすようにふらつく
「どうした....って、熱っ」
彼女の体温は明らかに平熱より高く、冷えた俺の体に熱が伝わる
「はぁ....ッ..」
息が荒い、意識が朦朧としているのだろうか瞼が重そうで目も開けない
額に手を当てると酷い熱があった
きっと、昨日の雨のせいだろう
シュウは軽く舌打ちをする
ーー俺なんかに構うから、こうなるんだ....
「あいつだって....」
シュウはぼそっと呟く
彼女を見るシュウは
なんだか、自分の事のように辛そうな目をしていた