第4章 再び
「ゴホッ....」
昨日の雨で濡れたからだろうか
何だか喉の奥が詰まる
黒板の文字を書き写しながら私は昨日の事を考えていた
お節介だったのかもしれない....
けど、ああした事に後悔はない
そう思う理由なんて分からないけどーーー
授業が終わり、私は日直で本の入った箱を運ぶため職員室へ向かう
「重ぃ....」
箱で前が見えず、感覚で階段を降りる
その上、それは重たくて私は慎重に歩みを進める
「あれっ....」
階段の正面にある大きな窓からは小さな中庭が見える
そこにはルキさんの姿があった
しかし、彼は1人では無くて隣には背の高い男子が居た
私はその人を知っていた
先日、廊下の曲がり角でぶつかり、とても怖かったのを覚えてる
上から見下ろされ、凄い眼力で睨んでくるから不良かと思ったが
ルキさんと話している彼はとても柔らかい笑顔で凄く温かい感じがした
そして、ふと思う
(もしかしたら....ルキさんの弟....?)
ドンッ!!
「きゃっ!!」
2人に気を取られ私は軽く階段につまづく
なんとか、私はバランスを取れたけれど
手に持つ箱は私の手から離れる
『ッ!!あぶねっ....』
落下しかけた箱は落ちることなく誰かが支えてくれた
「あっ.....」
ナイスなタイミングで箱を支えてくれたのは同じクラスのスバルくんだった
少し意外で私は驚いた
「あぶねーんだよ....ってお前、うちのクラスの....」
「あ、えっと....立花ルカです
スバルくんだよね?ありがとう助かったよ」
「あぁ」
彼は少し照れたように頭をかく
教室では凄い話しかけずらくて、一匹狼みたいに人と関わりたくないんだろうなと思ってたけど、話してみると案外いい人で
人は見かけによらないと改めて実感した