第2章 眠り王子
私は恐怖を感じて目を閉じる
しかし、私の身には何も起こらずただ、静かな部屋に1つ彼の舌打ちが響いた
私は恐る恐る目を開ける
「っ........」
すると、彼とまた目が合う
何故だろう、今の彼の目は先程とは違って
少し朧気でどこか憂いているようにも見えた
私はどうしていいか分からず
少し彼から距離をとる
すると、彼は深いため息をついた
「ほらよ」
「!」
彼は私に消毒液の瓶を投げる
そしてそのまま、動揺する私を余所に
あくびをしながら帰ろうと部屋の扉へ向かう
すると、丁度いいタイミングで扉が開く
「あれっ、また君か
保健室でサボるのは駄目だって言ったはずだけど?」
入ってきたのは白衣を着た保険医だった
やっぱりサボりだったのか
しかし、彼は先生の話も聞かず「うざい」と言って部屋を出ていった
すると、先生はやれやれといった具合いに扉を閉める
「あぁ、ごめんね。職員室へ用があったんだ」
先生は苦笑する
その後、私は先生に治療してもらい、
ふわふわとした気持ちで足早に保健室を出た