• テキストサイズ

蒼い恋

第2章 眠り王子



さっきのは一体なんだったのだろうか....

ルカは教室に行き、授業が始まってもなお先ほどの事が頭から離れなかった

蒼い瞳と聞き慣れない低い男の人の声....

頭の中は彼の姿でいっぱいになる

彼には何か惹き付ける物があるような気がした

私はどうしてしまったのだろう....

学年も名前も知らないのに....


彼女はもう既にあの"眠り王子"に取り付かれてしまっているのかもしれない




ーーーーーーーーーーーーーーーーー




「ふあぁ....ねむ....」


その主犯である彼は保健室を出て、屋上に寝そべっていた

好みの音楽を流し、誰もいない場所で静かに眠りに落ちる

しかし、今日は少し違った

ふと、先程保健室に居た女を思い出す

昨日、俺は帰るのも面倒になり途中の階段で仮眠をとっていた
しかし、気づけば仮眠どころでは無く何時間も熟睡しきっていた

そんな時、無駄に痛い視線を感じて目を開けた

すると案の定前には人間の女が居て

そいつは驚いた様な顔をした

別にどこにでも居そうな女で、特に色気があるとか血がうまそうとかも思わなかった

けど、こいつは少し変わってる気がした

人間らしくない....

そんな事を思ってるとその女は颯爽と階段を降りてった

ただ通りすがりで会ったに過ぎないけど、今日もまたあの女は俺の前に現れた

妙に気になるこの女に俺は血を吸えば全て解決すると思って、いつものように喉を潤そうとした
けど....あいつの細った首は牙を立てれば折れそうなくらい非力だった

(はっ....いまさら、人間を壊すことに躊躇するなんてな)


ふと、彼の頭の中では昔の記憶がフラッシュバックする

明らかに先程とは違った様子で彼は何かに苦しむ

「ッ....」

そして彼は自分の首を締めるように喉を抑えた






「エドガー....」







/ 64ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp