第10章 離れてしまった仲間たち
「青い服の次は、赤い服?あいつらどこにでもいるのね。勘弁してよほんと」
私はほとほとうんざりした。そして、彼らがいなくなるのを待って、デンさんたちが待つ民宿へと戻った。
「……ん?」
しかし、そこにはデンさんとタツさん、それにまたもや見たことのある赤い服の奴らがいた。私は思わず隠れた。
「だから、そんな奴知らんと言っておるだろう!」
「いえ、ですから!それを証明するために、家の中を……」
「お断りします!!」
……私を探している?なぜ私を…とは思ったが、確かなことは私のせいで迷惑をかけてしまっているということだ。あの赤い服の連中が諦めて帰ったのを見て、私はその場をそっと離れた。
「……でも、どうしよう?野宿するにしても場所がなぁ」
私のことを探している連中がいるので、隠れられるところがいい。……んー。
「ガウッ」
えなが急に私の方を見て吠えた。
「ん? あ!洞窟!」
海をちょっと挟んだところに洞窟らしきものを見つけた。よし!もうすぐ日もくれるし、あそこでいいや。海挟んでいるし、中々見つからないでしょ
「ズズ、お願い」
私はえなところをボールに戻し、ズズを先に行かせた。そしてちうをズズに姿を変えさせた。
「ズズ!ちう!準備いい?」
「ヌマっ!」
「ヌマー!」
「よし!じゃあ、ちう!思いっきり投げて!」
その言葉と共に、ちうは私を思いっきりズズの方へと投げた。やっぱりなみのりを覚えてないと不便だなぁ、と思いながら。ズズは私を見事キャッチし、しばらくしてちうが泳いでやってきた。
「気持ちよかった?」
「ちゅっ!」
そして、私たちは洞窟で一晩を過ごした。