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可愛いポケモンに囲まれて

第10章 離れてしまった仲間たち



「う…」

誰かに呼ばれたような気がし、私は目を開けた。母だろうか…いい匂いが鼻を刺激し、お腹の虫がなる。頭がぼんやりとする。しかし、ゆっくり起き上がっる時には、それははっきりし、ここが家ではないことが分かった。まぁ、私は家出中なので、家ではないことはすぐに気づいていたが。

「ここは……」

見たところ、私はどこかの民宿にいるようだ。ベッドに寝た覚えも、どこかに泊まった覚えもないのだが……途端、私はハッとした。

「ズズ!!」

私はモンスターボールを探した。しかし、ズズのモンスターボールどころか、ボール全てが見つからない。まさか…私は血の気が引くのが分かった。海に流されてしまったのか…

「あら? よかった! 目を覚ましたのね」

女性が部屋に入ってきたことに気づかなかった私はビクッと体を震わせた。

「驚かせちゃった? ごめんなさいね。あなた、海岸に打ち上げられていたのよ?多分、ヌマクローが連れてきてくれたのね」

その女性の言葉に、私はカノジョの腕を掴んだ。

「どこにいますか!?そのヌマクローは…私のポケモンたちは…」

私の問いに女性はにこりと笑い、私の手をそっと握った。

「大丈夫よ。あなたのポケモンたちは、少し衰弱していたから、モンスターボールから出していたの。今は食事をとっているわ」

その言葉にホッとし、私は彼女が持ってきた食事を口にした。しばらくすると、扉が開き、部屋に入ってきた4つの影が私に飛び込んできた。

「ズズ! ころ! えな! ちう!」

私はホッとして、彼らを抱きしめた。4匹とも元気そうだった。
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