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可愛いポケモンに囲まれて

第10章 離れてしまった仲間たち


~敵side 下っ端~

俺は女たちを連れて、俺たちの基地がある場所の近くまで誘導した。上司の野郎は、女達の方が気になって仕方がないようだ。チラチラと後ろを見て、俺が話しかけても上の空。これが終わったら、上に報告しなければならないな。お前の席は俺がちゃんと務めてやるよ。

「あぁ…着きました。ここです」

「ル、ルビー!!サファイア!?」

女の1人が俺たちの前に出て、辺りを見渡す。しかし、いくら叫んでも、出てくるのは俺たちの仲間だけ。俺はモンスターボールに手を伸ばすと、周りの仲間もポケモンを出し始めた。さぁ!仕事の大詰めだ。しかし、俺達が脅すために技を口にしようとした時、後から声が聞こえた。

「めざめるパワー」

突然、背中に衝撃が走り、俺たちは向こうへ吹っ飛ばされた。慌てて体勢を整え、ポケモンたちに攻撃を命じようとしたが…

「え……」

俺たちはあまりの驚きに開いた口が塞がらなかった。そこにいたのは、穏やかな顔をした女…ではなく、鋭い目線をこちらに向けた女だった。もう1人の女の前に守るように立ち、そしてその隣には女のポケモンが。そのポケモンの大きさや主人と同じように、こちらへ殺気を送っている。

「バ…バンギラス……ヨギちゃんが進化したのか…」

隣では、上司がポケモンも出さず、訳分からないことを呟いている。

「本当にゆきこなのか…」

元カノか?しかし、今はそんなこと関係ない。俺は、上司を揺すった。あの大きさのポケモンだ。俺たちのポケモンだけじゃ、勝ち目はない。しかし、こいつに支給されているポケモンがいたら……。しかし、上司は俺のことなど無視して、立ち上がって叫んだ。

「ゆ、ゆきこ…さんですよね? 我々はあなたに危害を加えるつもりはありません!! どうか我々の基地で話を……」

このマヌケが!俺はそいつの腰からモンスターボールを取り、投げた。中から出てきたのはギャラドスだ。

「おい! 何してる! 早く攻撃しろ!!」

ギャラドスが、女に向かって一直線に突っ込んでいくのを見て、満足気に微笑みかけた。しかし、

「ヨギちゃん、すなあらし」

突然砂煙が俺たちを遅い、俺の体は宙へ浮かんだ。

「さぁ、あなたたちの基地とやらに案内させてちょうだい」

俺が意識を失う直前、女が微笑むのが見えた。
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