第10章 離れてしまった仲間たち
~エメラルド 母side~
その時、3人と共にしていたタニという人は、状況を説明した。彼がすてられ船という漂流船を探査していると、2人の男女の子供に会った。彼らのうち、少年はルビーといい、少女はエメと言った。少年は、知り合いの船で家族旅行をしている最中、知り合いのポケモンと少年の妹が行方不明になり、それを探しているのだと彼に説明した。
「間違いありません。うちの子供たちです!」
「そうですか…では、この辺りを封鎖しましょう。子供の足ですから、まだ遠くへは行っていないでしょう」
警官はそう言い、私たちに背を向ける。私は携帯をそっと取り出した。あの人からの連絡は……無かった。私たちに連絡した後、あの人はあの人なりに探しているのだろう。
「本当…すれ違ってばかりなんだから…」
私は思わずそう呟いた。しかし、ため息ばかりもついていられない。私はエメちゃんの母親。逃げるあの子を捕まえるのが父親の役目ならば、私はあの子を守るのが役目。だから、父親以外にあの子を捕まえようとする輩がいたならば、それを排除しなければならない。