第10章 離れてしまった仲間たち
~エメラルド 母side~
ルビーくんとサファイアちゃんたちが家を出て数日が経つ。その間、2人のお母さんは心配する日々が続いていた。
「サファイアはともかく、ルビーまでいないなんて……あの子、ポケモンが触れないのよ! もしも……あんなことがまたあったら、今度はサファイアだって立ち直れなくなる……」
私はそんな彼女をなだめ、そして励ました。ルビーくんは、昔から正しくあるための強さを持っているし、サファイアちゃんは一直線な性格に見えて、ルビーくんを気遣う優しさもある。いつも喧嘩こそしているが、あの二人は互いを尊重しえ支えられる。……エメラルドは、そんな相手を持っていなかった。だからこそあの子は、あの人を拒絶し、そして今…私も拒絶したのだろう。
「……俺だ。3人を見つけた。恐らく、カイナのポケモンセンターにいる」
そうあの人から連絡を受けた時、私たちは慌ててカイナシティへと向かった。船から降りると、警官が待っていた。あの子達は何か危険な事件に巻き込まれているよう。
「え!? 2人がいなくなった!?」
そして、ルビーくんとサファイアちゃんがいるという病室へと向かうと、2人は忽然と姿を消していたのだった。