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可愛いポケモンに囲まれて

第9章 捨てられ船


眩い光が辺りを包んだ…次の瞬間今までの比ではないくらいの巨大な衝撃音が耳を劈き、衝撃波が体を貫いた。私が天井を再び見たときには、青い空が広がり、辺りは騒然としていた。白い霧も吹き飛ばすこの威力。

「……は……はかいこうせん」

呆然と自分のポケモンが飛ばされた方角を見るイズミが呟いた。私は沢山の息を吐き出した。上手く…いったみたいだ。

「お疲れ様。ありがとう。ころ、ズズ……ころ!!」

私は慌てて駆け寄ろうとした。はかいこうせんの反動で、ころは今にも倒れそうだったからだ。しかも、その倒れる先には、下に落ちる大きな穴が。

「ヌマ!」

しかし、その前にズズがころの体を支えた。私はホッとしてころの体を撫でた。ころは激しい運動をした後のようにぐったりとしていた。

「…ゆっくり休んで、ころ」

そして、ボールに戻した。そして、今度はズズを見た。ミズゴロウではなく、私のために進化してくれたヌマクローのズズを。

「な、何をしたのよ! あんなタイミング良く進化するなんて!! あ、ありえない!!」

放心していたイズミが私に向かって叫んだ。ズズが私を庇うように立ち、威嚇する。それを抑え、私はズズの前へ出た。

「私は何も。この子達が私に教えてくれただけ」

「はぁ!?!?」

そう、私はただこの子達を送り出しただけだ。無意識にボールに触った瞬間、自分たちの成長を伝えてくれたころとズズを。この子達がいなかったら、私は今無事ではいなかっただろう。

「あ、あんた…一体…なにも…」
「悪いけど、無駄話は終わり」

私は上を見上げ、切り上げた。上からは吹き飛ばされた天井の塊が落ちてくるところだった。

「なっ!? 」

それを見て悪態をつくイズミ。それは真っ直ぐにイズミがいる方に落ちてきていた。そして、次々と塊がイズミに降り注いだ。私の方を見て、ズズが心配そうにした。……本当にいい子だ。私なんかには勿体無いくらい。

「大丈夫だよ。あの人、逃走用のポケモン確保してたから」

私の言葉通り、イズミは鳥ポケモンに乗って、空へ飛び上がっていた。まぁ、かすり傷はたくさんあるだろうけど、死にはしない。私はズズに微笑んだ。

「ズズもお疲れ様。ゆっくりおやす……っ!?」

ズズのボールに手をかけたその時だった。物凄い力が空のある1箇所に集まっていくのが分かった。

「…なに……あれ……」
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