• テキストサイズ

可愛いポケモンに囲まれて

第9章 捨てられ船


しばらくズズと戯れていると霧が出てきた。

「………危ないな。ころ、えなこっちおいで」

私の声かけに2匹は起き上がりこちらに来る。落ち着かなさそうにしていたので撫でてやると、擦り寄ってきたのでズズとともに膝に載せた。

「エメー、どこ??」

霧はどんどん濃くなりほんの数メートル先も見えない状態となった。二人の居場所は何となくわかるけど………ポケモンとかに船が当たらないかが心配だな。と、不意に船が止まった。

「………ぴーちゃん!? ぴーちゃぁぁぁぁんんんん」

「ちょっ!? ハギ老人!!どこへ行かれるのです!?」

ハギ老人とルビーの声だった。声にいち早く反応したえなが私の膝から降り、途端に姿が見えなくなる。

「えな!?」

私は二匹を下ろし、えなが向かった方向へと慎重に向かった。

「…………船??」

ぼんやりとした影が目に映り、それが大きなボロい船だと分かるのに少々時間がかかった。

「………変なの」

「エメ!! ぼんやりしてないでハギ老人止めて!!」

どうやら船酔いをする暇がないくらい切羽詰っているようだ。そこには今にも海に飛び込もうとする萩老人の姿があった。

「ぴーちゃぁぁぁぁんんんん」

どうやら状況から察するにぴーちゃぁぁぁぁんんんんがあの船に入ってしまったらしい。私は嫌な予感がした。そして、サファイアの姿はそこにはなかった。

「あなたがいなくなったら誰が船を操縦するんですか!! 僕らがいってきますから!!」

あぁ、やっぱり。私はため息を一つはいた。
/ 122ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp