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可愛いポケモンに囲まれて

第7章 ハギ老人とムロタウン


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笑いが止まらなかった。目の前のガキは、今や俺の姿をした最強の障害に必死だった。これが俺の得意とする戦術。だからボスは俺をホムラと名付けたのだ。

「はぁ……はぁ……はぁ……」

肝心のガキの方は心が折れかけているようだ。クソ親父とか言っていたが、どんだけ恐ろしいのやら。こりゃトラウマになりかけてるじゃねぇか。

「終わりか?」

俺の声にビクッと体を震わせるガキ。カタカタと震える様子は、先程の様子からは想像もつかないだろう。パートナーポケモンは調子の出ないあいつを庇うように戦っている。指示がない中よく頑張ってはいるが…まぁ所詮こんなもんだろ。たいあたりをしてきたそいつを俺は蹴りあげた。

「ズズ!!」

「話にならねぇな」

「……っ!」

駆け寄って、抱き抱えようとするその手を俺は踏みつけた。ガキの体が強ばるのがわかる。

「おいおいおい。お前逃げちゃならねぇ時があるとかなんとか言っておきながらこの程度か? 面白くねぇな」

顔をそらそうとするガキの顔を掴むと、ガキは既に戦いを放棄している目をしていた。………ふむ。悪くはねぇがまだガキだな。あと数年後たってから出直してくるんだな。

「………はぁ。なんだよ。ちょっと期待した俺がバカみてぇじゃねぇか。やっぱり雑魚は雑魚だったな」

ピクッと俺の言葉に反応するガキ。だが、俺はもう飽きていた。これならあっちのガキの方がまだ楽しめたかもしれない。

「………………ふ………ふ…」

気がおかしくなったのか笑い始めるガキ。俺はガキ共々始末しようとポケモンに技を命じた。しかし、

「………ふく……くくくくく!!!!あはははは!!!! あー……何やってんだろ私」

ガキはまさによんでいたかのようにそれを避けた。ガキの足元にはミズゴロウがいる。

「………相手の表面を見て臆するのは、愚か者がすることだ。その内側まで見れるようになった初めて一人前となる………こんな初歩的なこと忘れるだなんて………クソ親父出現で頭追いつかなかったわ」

何やら先ほどと雰囲気が違う。俺はガキの変容に戸惑いながら、とっしんを命じた。

「…………ズズ、避けてみずてっぽう」

驚くべきほどな俊敏さで避けられ、俺のポケモンは戦闘不能にさせられた。ガキは笑いながら、口を開いた。

「ずっと見てきた。動きも癖も考え方も全部知ってる。だから…」
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