第7章 ハギ老人とムロタウン
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眩しい明かりが僕達を包み、気がつけば目の前の男は消えていた。
「…………何だったんだ……取り敢えずエメ、早く逃げよ……」
僕は唖然となりながらも、隣の幼馴染みに声をかけた。しかし、そこにはいるはずの彼女の姿がない。
「エメ………エメ!! エメラルド!!!!!!」
どれだけ呼んでも彼女は出てこなかった。アホ面と笑いながら僕の頭を小突く彼女の笑い顔が頭を過ぎった。
「………ん……ルビー??」
僕の声で腕の中のサファイアが目覚めた。僕は彼女を下ろし、肩を揺らした。
「エメが敵に攫われた!!君はダイゴさんの手伝いをして。僕はエメを助けに行くから!!」
そうして僕は走り出した。どこにいるかも分からなかったけど、とても心配だった。ポケモンバトルをするのを極端に嫌がると共に、なんとなく悲しそうな彼女の横顔を何回も目にしていたからかもしれない。