第7章 ハギ老人とムロタウン
「……これはまずい」
私は今の状況からそう呟いた。サファイアは起きない、敵は多い、さらには雑魚だけではないからだ。
「ルビー逃げよう」
私はボソッっと彼に囁いた。
「はぁ!? 何言って……」
「あの人も言ってたでしょ。今の私たち、足でまといだよ。戦えないならここから離れなきゃ」
「で、でも………」
「あの人サファイアが反応するくらい強いから平気でしょ。いくよ…3………2…1………今だ!!」
ダッシュ。ルビーはサファイアを持って、私はズズを持って同じ方向に走り出した。敵は呆気にとられ、そして数人が私たちを追いかけようとした。
「させないよ」
それをダイゴがとおせんぼした。それだけでなく、
「そこを真っ直ぐ行ったら出口だよ」
とわざわざ道まで示してくれた。助かる。このまま出口まで突っ走ろうとした時、
「面倒だな」
目の前に敵が立ちふさがった。
「なっ!?」
それはホムラと呼ばれた男だった。そしてそいつは私たちに何かを投げつけた。
「さて、どちらと当たるかな」
にやりと微笑んで彼は言ったものだった。