第7章 ハギ老人とムロタウン
「嘘ぉぉぉぉぉーー!!」
私たちは今逃げていた。上から岩が崩れてきたのだ。地盤が緩くなっていたのか、それとも落石してきたのかは分からないけど。
「……し……死ぬ……」
ぜーはーぜーはーと息が荒れ、私たちは地面に座り込んでいた。ズズは呑気そうに岩を弄んでいた。それは当たり前。歩くのがのんびりなこの子を緊急事態時に自由にさせておく訳がなくて……。ようするにこっちは彼を抱えて必死に走ってたわけでして。
「……ズズ、あんまり遠く行かないで」
今にもどこかへ行ってしまいそうなズズを引き寄せていると、
「日頃の運動不足が祟ってるね。部屋から出ないからだよ」
と同じく息が荒いルビーが笑いながら言う。
「そっちこそ。家で服とか作ってるんでしょ。私と変わんないし」
「ち、違うよ!! 君のはただ目的もなくダラダラゴロゴロしてるだけで………僕は」
「同じでしょ。その証拠に今私と同じ状態でしょ」
「うっ………」
あんたも私も同じくインドア派なんだよ。いい加減認めなさい。