第7章 ハギ老人とムロタウン
「ほれ、着いた。ムロタウンじゃ………お前さん、なにしておるんじゃ?」
道中何も遭遇しなかった私は、船を降りるやいなや建物に隠れて、辺りを伺った。………いない。
「警戒しすぎだって…。あー、帰りもあの船に乗るかと思うと…気が滅入っちゃうよ」
「ルビーはあのクソ親父のしつこさを知らないから言えるんだよ。あの人、どんなところにいても見つけるんだよ。むしろ今まで捕まらないことがおかしいくらい」
そうおかしいのだ。あのクソ親父がこんなに手間をとるなんて…。私なんかどこにいても見つかるとかほざいてたのに…………ん?
「あ!! 」
「うわっ!? なに! センリさんいたの!?」
隣で慌てるルビーを無視し、私はひとりでに納得した。
「……そっか。なるほど。そういうことか。あの人ば私゙を探しているんだ。だから手間取っているのか…」
「そんなの当たり前じゃないか。センリさんは僕らを探しているんだから」
当たり前のことをいうルビーに私は呆れ果てた。