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可愛いポケモンに囲まれて

第10章 離れてしまった仲間たち


~誰かver~

「お、お世話になりましたぁぁ!! また機会があればどこかでぇぇーーー!!」

ガキの声がどんどん遠くなり、俺はようやくガキが行った方向へと顔を向けた。戦闘で天井から外が見え、今が昼頃だと知った。

「……いいんですか?」

いつのまにかタツが隣に立って、俺の顔をのぞき込んだ。ちらりと見ると、タツの手持ちのポケモン……ハクリューが気持ちよさそうに宙を舞っている。こんな危ないところにわざわざ戻ってこなくてもいいだろうに…俺はため息をついた。

「随分、可愛がっていたのに…。貴方なら、家に置いておいてやる…とか説得でかなたでしょうに」

どこから見てたと思うほど、タツはクスクスと笑いながらそう言う。

「………断られた」

「あら。振られちゃったんですか? だから、そんなにしょぼくれているんですか」

俺の頬をツンツンと突っつくタツ。俺は煩わしそうにそれを払い除けた。心外そうに

「違う」

と否定したが、タツは呆れた顔をし、

「しょぼくれていたから、カイリューにあの子を頼んだんでしょ。無茶をさせないって決めていたカイリューに」

と言うので、俺はそっぽを向いた。タツは素直じゃないといつもの口癖を言ったあと、ガキが行った方向を眺めた。

「結局、あの子に何も言わなかったんですね」

「言う必要がなかっただけだ」

俺は何も関係ないし、その繋がりもない。俺の言葉にタツはさらに呆れたような顔をした。

「散歩に行ったかと思えば、大慌ててであの子を連れ帰ってきたのは誰でした? 散らばったボールをカイリューとハクリューに探させたのは?」
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