第10章 離れてしまった仲間たち
どうやら男とデンさんは知り合いのようで、デンさんの剣幕に男は何も言えないようだ。…これで解決か。私は近くの手頃な瓦礫を見つけ、腰を下ろそうとした。しかし…
「デンさん!! 避けて!!」
「っ!?」
突然現れた雪崩を察したカイリューがデンさんを庇い、その衝撃でデンさんは吹っ飛ばされた。私はリサに女の子を預けて走り出した。
「デンさん!! 大丈…」
「……油断した…」
苛立ちそうに舌打ちをしながら立ち上がるデンさん。怪我はないようだ。
「…油断した。どうも歳だな」
「……ゆきなだれ…」
私は思わず呟く。冷気が辺りを漂い、私はぶるりと体を震わせた。ドラゴンタイプのカイリューには致命的な組み合わせだ。大きな体がゆらりと動く。
「…この辺じゃ見ねぇ面だな。あのポケモンはなんだ?」
「…ユキノオー…シンオウ地方のポケモンのはずです…」
「シンオウか…やけに遠いところだな」
よろよろと立ち上がった男が高笑いをする。そして、狂ったように叫んだ。
「あのクソジジイも忌々しいカイリューも…ぶっ殺してやる!!」