第10章 離れてしまった仲間たち
「うわっ!?」
デンさんの荒れっぷりは見事なもので、私たちがたどり着く前に戦闘は始まった。この建物の強度は大丈夫なのか…そう考えさせられるほど、凄まじい揺れが私たちを襲った。
「お姉ちゃん!! 怖いよぉ…」
ちうを出したおかげで、泣き止んでいた少女が何度も起こる揺れで再び顔を歪ませる。私は彼女の小さな手を握りしめた。
「大丈夫。デンさんが悪い人やっつけてくれるから。ね、ちう!!」
「ちゅう!!」
私の肩から女の子の頭へと乗り移るちう。少し不安が和らいだようで、しっかりと握り返す女の子に私は微笑んだ。しかし、私の笑みはすぐに消え去ることになる。私たちがデンさんの元に着く頃には、戦闘は終わっていた。私はその現状を見て思わず呟いた。
「うわぁ……やっぱりデンさんえぐい…」
そこには、見るも無残な部屋に立つ勝者がいた。勝者は中々鍛えられた3匹のポケモンたちの横を通り過ぎ…
「この恥さらしが!!」
と、両膝をつける敗者にそう怒鳴った。3匹のポケモン達はひんしの状態でピクリも動かず、そして壁には幾多のポケモンたちが吹っ飛ばれた跡が残されたいた。
「この島に育てられた恩を忘れたか!! 」