第10章 離れてしまった仲間たち
「…………タツたちは?」
カイリューの手を借りて立ち上がるデンさん。私は泣きじゃくる女の子に慌てながら、
「既に避難済みです。デンさんも早く…」
と言った。しかし、首を振るデンさん。
「ここを取り仕切る男を叩きのめさなきゃ気がすまん!! お前も来い!!」
「………えー…」
目を爛々と光らせ、カイリューを連れて走り出すデンさん。思わず出た私のため息なんてまるで無視。
「どうします? あのおじいちゃん、確かにお強いですけど…ここを仕切っている男は幹部候補まで登った人ですよ」
リサはニコッと私に微笑んだ。…私が行っても足でまといだと思うが……確かにデンさん1人だけ残しておくのも不安だ。タツさんに頼むって言われたしなぁ……
「……そう言われると思いました。では、加勢しましょ!」
リサは私の手を掴み、強引に歩き出した。私の服の袖を掴んでいた女の子は、私の手を握り一緒に歩き出す。
「……いや、私何も言ってないんだけど…」
しかし、私の弱々しい反論は聞いてもらえることはなかった。