第10章 離れてしまった仲間たち
「……このクソジジイ!! 手間書けやがって!!」
デンさんは有言実行タイプのようだ。中々の暴れっぷりでえなに導いて貰わなくとも、デンさんの場所は容易にわかった。マグマ団の男がそう怒鳴る中、デンさんは数人がかりで押さえつけられていた。その脇には泣きじゃくる小さい女の子の姿が。…人質で制圧したのか…
「……弱い人達ですね」
リサがボソッと呟く言葉に私は同意した。これはデンさんも意趣返しをしたいことだろう。……いや、私が戦うのが面倒なわけではないよ?
「まぁ、こいつのポケモンもこの通りボールに戻ったことだし、無事解決………なっ!?」
私は思いっきり体当たりをし、男からボールを奪い取る。
「だ、誰だきさま!!」
私は男の言葉を無視し、ボールを投げた。出てきたポケモンはカイリュー。……ふむ、見かけ通り中々えぐい強いポケモンを持っているじゃないか。
「カイリュー!! げきりん!!」
ハッとしたようにそう叫ぶデンさん。……技もえぐかったか。数秒後、足元に倒れる男達を見て、私は合掌するのだった。