第10章 離れてしまった仲間たち
「エメラルドちゃん!! 無事だったのかい!!」
牢屋に入れられていたタツさんは、私の姿を見て安堵したように微笑んだ。自分が危険な状況だと言うのに、私の心配をしてくれていたようだ。私が牢屋の鍵を壊すと、大きな体で私を抱きしめた。
「よかった…。怪我は? あの連中から何もされてないかい?」
私が頷くと、私の頭を優しく撫でるタツさん。ゾロゾロと牢屋から出てくる住人たちに、私はあの横穴まで案内した。
「………デンさんをよろしくね。あの人すぐ無茶をするから…」
最後までデンさんを気にしていたタツさんは私の説得にそう言うと、他の人たちと脱出する。その姿を見送ると、私は辺りを見渡した。
「……そういえば…音が止みましたね」
住人と共に避難するように説得したものの、見事にガン無視したリサがこてんっと首を傾げる。私は頷き、えなを出した。マグマ団はデンさんを制圧することに成功したようだった。