第10章 離れてしまった仲間たち
「…ヌマッ!」
いつの間にか二度寝をしてしまったようだ。私の体にはいつの間にか毛布がかけられていた。……ズズだろうか?
「ズズ?どうしたの?」
私は慌てた様子で揺すってくるズズにそう問いかけた。
「……ん?」
ズズが指さした方…つまり、洞窟の奥を見ると、何か光が差している。…なんだ?
「ちう、軽めのフラッシュ」
ぼんやりとちうの周りが光る。私はちうを先頭に奥へと進み始めた。奥に進むにつれて、一定のリズムを保った機械音も聞こえる。
「…ちう。フラッシュやめ」
「ちゅっ!」
抱っこをねだってきたので、私は抱き上げて、そっと様子を伺った。どうやら、この洞窟は横穴のようだった。
「………デンさんだ」
下の方には、赤い服の連中に連れられたデンさんがいた。デンさんがいるということは、タツさんもいそうだ。私は聞き耳を立てた。
「お前も強情な奴だな!そんな見ず知らぬの他人を庇う義理なんてないだろ!」
「知らんもんは知らんと言うとるやろ!!」
デンさんの突っぱねる声が聞こえ、その気迫に押されたマグマ団たちが散り散りになっていく。……すぐ近くの岩から下に降りられそうだ。
「………よっと!」
私はちうたちをボールに戻すと、下へと降りた。ちょっと高さがあったけど、小さな頃に登った木の上よりはマシだった。
「…」
デンさんはすぐ私に気づいた。私はもう一度ちうを出した。ちうは私を見て、彼らを見た。そして、ニコッと笑いトコトコとそちらに歩き出した。
「あ? なんだ? ピッチューか? 逃げ出してきたのか?」
そいつらがちうに近づいた途端、彼らは地面に倒れた。ちうはデンさんにそのまま近づいた。
「……なんで来た?」
私が拘束を解くと、デンさんは私に聞いた。私はちうをボールに戻しながら答えた。目線は流石にまだ合わせられなかったが。
「…………その…た、助けていただいた恩があるので」
「……タツや他の奴らも捕まってる。首突っ込んだんなら、最後までしてから行け」
つっけんどんに私の前を歩くデンさん。私は頷き、彼の後に続いた。