第6章 美容院 / イルミ
それから1時間後。
カランカラン、
おや?ヒソカの言っていたお客さん第二号かな?
そう思って店の入り口に顔を出すと、
「あれ、じゃん」
「すいません店間違えました」
「待て」
ガシッと襟首を掴むとズルズルと店に引き戻した。
オレの顔を見たとたん出てこうとするなんて、この上なく失礼だよね。
どうやらヒソカに勧誘された一人はだったみたい。
「あぁあ、ヒソカに言われた時点でおかしいって思うべきだった!美容院ならどこでもいいやって思うんじゃなかった!!」
「叫ぶのはいいから早く席についてよ。頭切るよ?」
「髪の毛じゃなくて!?」
しぶしぶ席についた。
全く、怖がらなくても別になんもしないのに。
「で?どうするの?どこまで切るの?」
「………えっと、」
「OK、ワ○メちゃんカットね」
「まだ何も言ってない!!」
速攻かつ的確なツッコミ。
オレ、これが楽しいからをからかうのやめられないんだよね。
「ははは、冗談だよ」
「真顔で笑わないで」
「で?どうするの?」
「うーんとね、肩につかないくらいまで」
「結構切るね。のばさないの?」
「はねるし手入れとか念入りにしないからなぁ」
「ふーん…まぁいいや。切るよ」
それにお願いしまーす、と答える。
うん、こうゆう切り替え早いとこも面白い。
チョキチョキチョキ……
ザクッ、
「あっ…」
「え、何!?」
「何でもないよ」
「嘘つけェェ!!ザクッて聞こえたよ今!!」
「それは…アレ、あの、刺さったんだよ、針が」
「もっと深刻化してるけど!?」
まずいな、ちょっと短くなっちゃった。