第6章 美容院 / イルミ
カランカラン、
おっと、そう思ってる間にお客さんだ。
今日の第一号は……
「やぁ◆」
なんだ、ヒソカか。
こいつはよくここに来てくれるから良い客(カモ)なんだよね。
「よく来るね。今日は何にするの?」
「今の色と同じ色でカラーリングを頼むよ◆」
「オッケー」
もちろん作業をするのはオレ自身だよ。
だってオレしか従業員いないし。
「あ、色がきれてる。代わりにラクダ色でいい?」
「イヤだ◆じゃあ水色がいいな◆」
「アニメ初期に戻るよ」
「初期とかあんまり言うなよ◆」
あ、一応この小説の中だとオレ達アニメ後期設定だから。
「じゃあカラーリングするよ(ブシャァァァァァ)」
「すごい飛び散ってるけど◆」
「ほんとだ汚いヒソカ」
「汚くしたのは君じゃなかった?◆」
水色の泡がヒソカの顔に張りついてゾンビみたいになっちゃったよ。
「あ、そういえばヒソカ。前に言ってた話…」
「あぁ、2人ほど勧誘しといたよ◆1人は今日来るかも◆」
「そっか」
実はオレ、ヒソカに客の勧誘を頼んでたんだ。
まだ始めたばっかりで全然お客さん来ないからね。
「男?女?」
「どっちもだよ◆」
「ふーん」
「なんで?◆」
「男なら脅せば何回か来てくれるかなって思って」
「キミも大概ワルだね◆」
そう話しているうちにヒソカのカラーリングが終わった。
あ、てっぺんのとこまだ少し色ついてないけど、まぁいっか。
「いくら?◆」
「あー、こないだの半額でいいよ。色なかったし顔に飛び散っちゃったし、ちゃんと色ついてないし」
「普通なら無料にすべき失敗だよね、それ◆」
でもしっかりお金を払うところはさすがヒソカだね。
こうしてお客さん第一号が去っていった。