第6章 美容院 / イルミ
チョキチョキ……
チョキチョキ……
「はい、終わり」
「へっ?」
あれから数十分。
なんとか髪の毛を切り終えた。
「うぅ~寝ちゃってた…」
「少しだけ短くなっちゃったけど、はい鏡」
に鏡を向けると、おぉ!と感嘆の声が上がった。
「いい感じかも…!!似合ってるかな!?」
「うん。後ろ髪も綺麗にそろってるし、よく切れてる。さすがオレ」
「ほめるとこ違う!!」
ツッコんできたけどは嬉しそう。
良かった。
『…っていう夢をみたんだけど』
「長い」
珍しくケータイに電話がかかってきたと思ったら、まさかのキルアの兄イルミ。
いつのまに登録されてたんだこの番号。
聞いても"ないしょ"の一点張り。
「で、何で私に電話?ヒソカに報告すればいいじゃん」
『やだよ気持ち悪いもん。それにオレ考えたんだ』
「何を?」
『正夢って…あるじゃん?』
「正夢はある。あるけど美容院は絶対ない」
『えぇ~』
「えぇ~って、やっぱ考えてたのかよ!!美容院創設」
なんかこの人と話してると子供と話してる気分になるんだけど!!(電話で話したの初だけど!)
「もう内容聞いたんで切っていいですか」
『えぇ~いいじゃんもっと語ろうよ』
「何でそこまで話したこともない大の大人と語らないといけないの!?」
しかも突然かけてきたクセに!
『でも、もし…もしもオレの美容院ができたらさ、』
「はい?」
『は来てくれる?』
思わず聞かれた質問に、不覚にもふふっと笑ってしまった。
ほんとに子供みたいだ。
そして私は優しく笑顔を浮かべながら…
「行かない」
『え、でも「行かない」…』
行きたいワケないでしょ普通!!