第1章 出会い
「美桜さんの荷物も届いてるよ。」
と、彼は言う。
リビングは共有し、
その他に個々の部屋が設けられているらしい。
私の部屋と案内された場所には
既に家具が揃っていた。
「引っ越し屋さんがセッティングしてましたよ。」
彼もその光景に驚いたらしい。
私も驚いた。
ちゃんと家具が揃ってて
しかもきっちり配置されてるなんて。
「美桜さんってお金もちですか?笑」
「いや、そんなことないはず。」
結構本気で返答した。
うちはもちろんお金もちなんかじゃない。
恐らく一般的な家庭なのに
どうしてここまでやっているのか、不思議だ。
あとで母に聞いてみたら
男の子と住むのにボロいマンション、汚い部屋はだめでしょ
ということだった。
なんとも単純だが母らしい考えだ。
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