第3章 風邪のキミ
「んっ……」
買い出しから帰って2時間くらい経った頃、
玲音さんが目を覚ました。
「体調どうですか?」
見るからに良くなってそうではなかったものの
本人に体調を尋ねる。
「しんどい。」
「体温計も買ってきたのでとりあえず熱計ってください。」
そう言って
買ってきたばかりの体温計を手渡す。
玲音さんは素直に受け取ると
体をおこした。
「ねえ、」
「なんですか?」
その様子をまじまじと見てしまったせいか、
声をかけられた。
「なんで構うの?」
「なんでって……」
頼ってきたじゃないですか、
そう答えたら
そっか、と言って玲音さんが少し笑った。
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