第3章 風邪のキミ
「どうしました?」
「結仁には言うなよ」
目に力は入ってなかったが
なんとなく威圧感があった。
これが今玲音さんの精一杯の力なのだろう。
わかりました、と伝えて
風邪に効く薬や食品
まだ買い揃えてなかった救急グッズなどを購入しに出た。
結仁くんに知らせたくないのは
心配させたくないからなのだろうか。
あれだけしんどそうなのに
結仁くんのことを考える玲音さんが気になった。
急いで買い物を済ませ家に戻る。
玲音さんは
少し汗をにじませながらソファーに寝ていた。
寝てくれてて良かった
と思った。
この人は
素直に人の言うことを聞きそうにないと思っていたから
あんなにしんどそうにしていても
どっか行ってそうな気がしていた。
「どれだけ信用してないんだろ(笑)」
自分で自分にツッコミをいれて、
ひとまず出来ることを行った。
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