第3章 風邪のキミ
「ただいまー」
結仁くんを見送った後、
私は波留と遊ぶ約束をしていたため外出していた。
ただなんとなく
家にいる玲音さんのことも気にかかったため
少し早めに帰路につくことにした。
ただいまなんて言っても
誰もいないか、
玲音さんは家にいたとしても
部屋にいるか、
なんて思いながらリビングに向かうと
「あれ?」
珍しく
玲音さんがリビングのソファーに横になっていた。
こんなところで寝てるなんて……
と思いながら
玲音さんを見た。
こんなにまじまじと見ることは初めてだろう。
これまで直視するのは
なんとなく避けていた。
「なるほどね、」
学校で話題になるのもなんかわかる気がした。
眼鏡をかけているから気付きにくいが、
睫毛も長い。
無防備だとなんか可愛いげがあるように見える。
さて……
玲音さんをこのままにしておいていいのだろうか、
ここで寝たままでいいのだろうか、
起こさなくて良いかな?
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