第6章 免許2
村「おー。お前は頭がいいお前は頭がいい」
蒼生「だぁっー!!!!揺らすな!忘れる!飛んでく!!」
横「やめぇ、ヒナwww」
年上2人に囲まれ、少しいつもの調子を取り戻した蒼生は「行ってきます」と言って、試験会場の部屋に入って行った。
*******
横山や村上は試験会場には入れない。
もちろん、スタッフも。
したがって、誰も蒼生の試験会場内での様子など知りようもない。
待機室に沈黙が広がる。
*******
よし。
時間よりも早く問題を解き終わり、何度も見直しをした。
自分の答えと実際につけたマークがズレてないか、解答欄がズレてないか。
でもあんまし眺めてると自分の頭が信じれなくなる。
文を深読みしすぎちゃうというか、「こうともとれるんじゃない…?」と考え始めちゃう。そうなると抜けれなくなっちゃう。
あと、少し。
あと少しで全てが決まり、終わる。
*******
待機室の沈黙を試験終了のアナウンスが破った。
横「これ試験終わりのやつやんな?」
村「もう行ってええの?」
スタッフから今からは採点に入るため、蒼生も部屋から出てくるから合流して大丈夫との説明を受ける。
ほな行こ、と村上・横山は一番に動き、待機室を出た。
「わっ、早!」
横「どーやった?」
村「ちゃんと見直ししたか?」
「う、うん、何回か見直ししてたんだけどあんまし見てると合ってるか不安になってくるから途中でやめた…」
ぽんぽん、と2人に両側から肩を叩かれ、蒼生は二人の顔を交互に見た。
「なんかわたしより2人とも疲れてない??」
蒼生は2人の表情を伺うように顔をのぞき込む。
その仕草に2人は照れ臭そうにした。
横「案外、待っとく方も緊張すんねん」
横山の言葉に村上もウンウンと腕を組んで頷く。
「そっか………受かってるといいなぁ…」
ポツリとそうこぼして、合格者の番号だけが表示される電光掲示板を見つめた。
採点の結果の合否を発表するというアナウンスが流れ、緊張の糸が張り詰めた。