第6章 免許2
ヒナもそんな霄の切り替えにもう慣れてるようで、流されても何も突っ込まない。
「あ、着いたんとちゃう」
40分ほどロケバスに揺られると、それっぽいところが見えてきた。
意外にも人は少なく見える。
「今日ホンマに試験日?」
霄「試験日が何日かあるから、ばらけてんのとちゃうかな?」
「あ~、そっかそっか。試験日自体は今日だけやないもんな」
霄「うん…」
試験会場を見つめる霄の目は不安そうに感じる。
緊張しいがまた緊張してるわ。
村「おら、オープニング撮るってよ」
「おー。霄」
霄「あ、うん!」
ぶにぶにと自分のほっぺを両側から摘んで回すのは霄が気持ち切り替える時とかによくしてる癖。
そのほっぺの赤さでどれくらい緊張してるかとか分かったりする。
すごい緊張してる時は長くつまみ過ぎて赤みがわかり易いし、そこまで緊張しへん時はあんまし赤みがない。
カメラが回りだし、ヒナが進行する。
村「今日が収録最終日になるんですかね」
「どやろなぁ。この人次第ですわ」
霄「わたしがこの企画の命運を握ってます!」
「なんでちょい上からやねんww」
村「えーー…中の試験会場の部屋には俺らも撮影も入れません!終わった後、合否の発表には合流できる感じやね」
「頑張りや!」
霄「うん!」
村「ほな、中入って受験票やらの提出に行こか」
霄「はぁーい、先生」
ヒナが先に試験会場に向かい、それに霄、俺の順でついていく。
というところまでがカメラが回るとこ。
撮れる場所が限られてるからな。
*******
蒼生が受験票などを提出し、会場に入る手続きを済ませるといよいよ顔が厳しくなる。
それに横山が気づき、優しく頭を撫でる。
横「大丈夫やって。お前暗記は得意やろ。筆記は出来るんやから」
蒼生「うん…」
村「お前メンバー1勉強できるんやで。まぁこれがプレッシャーになるかも知らんけどそれを自信に変えーや。」
村上も蒼生の隣に並び、肩に手を置いた。
蒼生「わたしは頭がいいわたしは頭がいい」