第8章 びしょぬれライヴ【8EST】
《アンコール…》
ライヴも終盤。
錦戸を筆頭に思い思いにスライディングしたり、スケートを真似てみたりするメンバーの中でぎこちない動きをする奴がいた。
蒼生だ。
「んっんんんんー!!!!」
まず滑り出しが下手。滑らかじゃない。
「りょーーーちゃーーーーーーん!!!!」
マイクを通さずとも聞こえる大声で蒼生が錦戸を呼んだ。それに対し、錦戸もマイクを通さずに「ん?」と声の方向を探してキョロキョロする。
錦戸の隣に並んだ蒼生は「教えて」と言う。
「教わることか??」と笑いながら錦戸がお手本を見せるように真ん中のステージに繋がる、少し坂になっている花道で滑る。水しぶきも綺麗にあげる滑りを見せた。それを見て、蒼生は「クオリティ高!」と言いながら「よし、」と滑ろうとした───────それは村上の声で急停止させられた。
村「霄、歌ァ!!!!!」
「っだ!わ!はい!」
ズテン!!!
…転んだ。
「いっ、だぁあああ?!?!」
よし、と滑ろうとしたところを止められたため、足が完全には止まってなかったのか、足がもつれてこけた。そのあいだにも曲は進み、せっかくの蒼生のパートは過ぎ去った。
村上が大声で蒼生に叫んだため、ちょうどメンバーが蒼生の方を見ていたことによって、蒼生の転倒は全員に目撃されていた。
あとに続くメンバーは笑いながら歌う羽目になった……。
《LIVE終了後…》
「やばいめっちゃお尻痛い……帰れんこれ…」
渋「わかる」
互いの痛いところを抑えながら帰ったとさ
fin....