第6章 免許2
村「おし、どこに食い行こか」
しおり外すなよ、と言って貸した本を渡してきた。
_____まだ読む予定なら持っとかんかい!
村「バッグ重たなるやんけ」
「…さいですか」
もはや何も言うまい。
「お肉食べたいかなぁ…奢って、お兄ちゃん」
村「誰が『お兄ちゃん』やねん!!誰か呼ぶか?」
「えーわたしと2人じゃ嫌なん~?」
村「嫌なわけあるかい!ええわええわ近くの店行くで」
そう言ってヒナちゃんがさっさと歩いて行く。
「早いわもぉー」
ここら辺の、前来た時にでも調べてくれてたんやろか。
用意周到かつ気の利くヒナちゃんのことだし。
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村「あー、渋滞なぁ…そら巻き込まれんっていうのはないわなぁ、路上やと。」
「うん。時々巻き込まれんねん。特にイライラはせんねんで?むしろ『あー!すんません!こんな渋滞プラス、教習車います!!』て思うねん」
初心者ですんませんて。
村「なんでやねんwええねん、んなもん、『すまんすまん!』くらいで!お前の周りのヤツもそうやって免許取ってきてんねやから」
「そうなんだけどさぁ」
夕飯はわたしの希望通り、お肉になった。
焼肉にサラダバーと充実してるコース。
少しずつだけど、昔より大分豪華なご飯を食べれるようになった。
「…昔は焼肉なんてほんと滅多に行けなかったよね」
村「せやんなぁ…あとお前は今ほど『肉!!』て言わんかったからなぁ」
「えー?そうやっけ?」
村「おん。やから俺らが無理矢理でも食わしてたんやんか」
「あーーあった…。いらん言うてんのにな」
村「いらん言うて倒れられたら困るがな」
「おっしゃる通りです」
あの頃はまぁ…あまり食べなくてもまぁまぁやっていけてたし、わたしよりも遥かにみんなの方が成長期というか食べ盛りだったし。
今もまだ食べ盛りのようだけど。
デビューしてからは少しずつお金も入ってくるようになってるし。
まだまだ先輩達には及ばないけどさ。
村「でもお前は特に気に入られてたからなぁ、周りに。」
「まぁ事務所で女なんてわたし1人やからね。物珍しさもあったでしょうよ」
村「あ?お前女として見られてる思ってんか」
「え」
村「女として見られてたら今頃スキャンダルやで」
「まじか」