第6章 免許2
守ってやらなあかんと思うし、今回のことに関しては俺らの注意不足もある。
何にせよ、頑張る霄の邪魔をするような輩は俺らが、俺が、許さへん。
(犯人がわかってたらどつくねんけどなぁ)
それは今のところ叶いそうにないけど。
「さてと、」
せっかく起きたことやし、また借りた小説、読むかあ
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本免のため、路上に出だしたわけだけど、時間によっては渋滞に巻き込まれることもある。
今日がその日だった。
(あー…時間オーバーしちゃった…)
路上から帰ってきて車を停め、最後に先生の話を聞いている。
聞いてるんだけど…
時間が気になる。オーバーしたのは誰のせいでもない。渋滞だもん。
「なんだかそわそわしてる?」
だいぶ喋り方も砕けてきた先生が言った。
「えっ」
わたしそわそわしてた???
「…急いでる?」
「あー…急いでるっていうか…メンバーの1人が待ってくれてて…」
先生だって仕事だし、ましてやわたしも教わってる立場なのに先生の話を、教習の終わりを急かしてるようで申し訳なくなった。けれど先生は気にした様子もなく、むしろ「あぁ、それはそわそわするなぁ…ほんなら終わろか。」と微笑んでくれた。
「すみません…急かしたみたいになって…」
校舎に戻る道中で言うと、「いやいや」と先生が頭を振った。
「大事にされとる証拠やなぁ、良かったなぁ」
「…その分、…それ以上にわたしもメンバーを大事にしたいです」
「してるやろ。ほな、頑張りや」
ひらひら〜と手を振って先生は教員室に入って行った。
わたしはヒナちゃんが待つカフェテラスに向かった。
「あれ」
今度はヒナちゃんは起きてた。ちゃんと小説読んでる。
村「ん?おぉ、おかえり」
わたしに気付いたヒナちゃんが本から目を上げた。
「ただいま、お待たせ」
ヒナちゃんが「どこに飯食い行く?」と言いながら紙をわたしの小説に挟んだ。
「おい、その紙」
村「しおりや。」
「ちゃうわ!しおり、ちゃうわ!!わたしが書いてったやつやろ!」
村「しおりに丁度ええやんけ」
なんてこと言うんだ!
別にいいけどさ!!
ただの紙が使ってもらえてるからね!w